3月に発表されると以前から噂され、新型コロナウイルス感染拡大のため延期されていた、「ホームボタンを搭載したiPhone 8」の後継モデルが発表された。
iPhone SE
2016年3月に発売された、「4インチディスプレイiPhone最終モデル」のリニューアル版という位置付けだ。
このため、世代を区別するために以下のように呼ばれている。
モデル名 | 発売年月 | ディスプレイサイズ |
---|---|---|
1st generation(第1世代) | 2016年3月 | 4インチ液晶 |
2nd generation(第2世代) | 2020年4月 | 4.7インチ液晶 |
iPhone SE(第2世代)は「4.7インチ液晶」を採用しており、第1世代の後継モデルというより「iPhone 8」の後継モデルと言った方が近い感じ。
この記事では、iPhone SE(第2世代)について、以下の内容を紹介しようと思う。
- iPhone SE(第2世代)の機能概要
- iPhone SE(第1世代)、iPhone 8からの進化ポイント
- iPhone SE(第2世代)は買いなのか?
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iPhone SE(第2世代)が発売された背景
iPhoneは高い
昔も今もそう言われているが、2018年発売の「iPhone X」以来その傾向はさらに強まった。
「最新のフラグシップモデルは10万円オーバー」というのは、Androidも含めた近年の傾向だが、Androidは5万円程度の安価なモデルも販売するのが定番。
さらに、日本市場に関していえば、2019年10月の「改正電気通信事業法」施行に伴い、分離プランの導入義務化、端末手引きの制限が法制化した。
今までは「MNP乗り換えで安く」みたいな流れがあったが、それが無くなった結果、高価格帯のスマホは軒並み売れなくなる……。
さらにいえば、2020年は新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっており、企業の業績にも多大な影響がでて、不況への道まっしぐらだ。
高いスマホを買う余裕がある人・企業が減る
というのは間違いないので、Appleが現在の状況を予見していたわけではないだろうが、これ以上ない最高のタイミングでの発売だったと思う
iPhone SE(第2世代)は「iPhone 11シリーズの廉価版」ではない
Appleは伝統的に「廉価版」という表現は使わないが、「49,280円(税込)〜」という価格のインパクトはかなり大きく、Androidスマホと比較されるとそのような扱いを受けるだろう。
ただ、iPhone SE(第2世代)は「廉価版」というには、豪華過ぎるスペックを有している。
最大のポイントは、
チップセットが「A13 Bionicチップ」
という点。
「A13 Bionicチップ」は、2019年モデルである「iPhone 11 Pro」と「iPhone 11」が採用する、2020年4月時点としては最新のチップセット。
Androidもそうだが、ミドルクラス・エントリーモデルと言われる「廉価版」は、チップ(CPU)のスペックが落ちることがほとんど。
これはパソコンでも同様と思う(例:Intel Core i7→i5→i3と安くなる)。
なので、iPhone SE(第2世代)は「ホームボタンを搭載iPhoneの最新モデル」であり、「iPhone 11シリーズの廉価版」ではない。
Appleが「廉価版」と呼ばないことにはちゃんと理由がある。
iPhone SE(第2世代)のスペック概要とおすすめポイント
基本的に「iPhone 11 Pro」の仕様を踏襲しているのだが、価格が半額以下ということで、やはりコストダウンした部分はある。
主な違いは以下の4点。
ディスプレイとカメラは、「iPhone 8」相当の機能となっており、ここが最大のコストダウンポイントだろう。
ただ、カメラはスペックを落としているが、チップセットが最新の「A13 Bionicチップ」になった影響で、大きく進化している。
- ポートレートモードの対応
- ポートレートライティングにも対応
iPhone 8はデュアルカメラを搭載した「iPhone 8 Plus」でしか、ポートレートモードは利用できなかったが、iPhone SE(第2世代)はシングルカメラでも利用できる。
iPhone SE(第2世代)は見た目もiPhone 8そっくりで、使い勝手も変わらないが、2020年時点だからこそ言えるおすすめポイントがある。
以下、もう少し詳しく紹介しようと思う。
プロセッサが「A13 Bionicチップ」に最新化
プロセッサについては既に紹介したとおり。
最新モデルと同じプロセッサを搭載
というのは、正直言って反則だと思う。
こんなことができるのはAppleが搭載するプロセッサは、独自に開発しているもので、一時期よりシェアが落ちたとはいえ、世界中で売れているスマホに搭載しているからだろう。
プロセッサは量産効果が大きいと言われている。
一世代前のプロセッサを搭載するより、売れている最新モデルと合わせることで、量産効果としてコストダウンするというのは、iPhoneだからできる芸当だろう。
「ポートレートモード」対応などカメラ機能が進化
こちらも既に紹介しているが、「A13 Bionicチップ」搭載に伴い、カメラ機能が大きく進化した。
シングルカメラなので、
「iPhone XR」のように被写体が人物の時のみポートレートモードが動作する
- ポートレートライティング
- 被写界深度の調節
にも対応しており、ディアルカメラ・トリプルカメラでないだけで、かなり高機能なカメラを搭載していると言える。
USB-PD急速充電・ワイヤレス充電
3つ目はiPhone 8の仕様を踏襲しているが、「USB-PD」による急速充電・ワイヤレス充電にも対応している。
残念ながら、18W出力の急速充電器と「USB-C Lightningケーブル」は同梱されないが、最近はサードパーティー製も安くなっているので、合わせて購入するのもよいかと思う。
デュアルSIM対応(2枚目は「eSIM」)
正直日本では大手キャリアが及び腰なので普及していないが、iPhone 11シリーズ同様「eSIM」にも対応した。
iPhoneの対応モデルは以下の通り。
モデル名 | モデル番号 | デュアルSIM対応 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
nano-SIM eSIM |
nano-SIM nano-SIM |
eSIM eSIM |
|||
iPhone 6s | - | × | × | × | |
iPhone 7 | - | × | × | × | |
iPhone 8 | - | × | × | × | |
iPhone X | - | × | × | × | |
iPhone XS | 全モデル | ○ | × | × | |
iPhone XS Max | A2104 | × | ○ | × | 中国大陸(香港版) |
上記以外 | ○ | × | × | 日本版を含む | |
iPhone XR | A2108 | × | ○ | × | 中国大陸(香港版) |
上記以外 | ○ | × | × | 日本版を含む | |
iPhone 11 | A2223 | × | ○ | × | 中国本土・香港版 |
上記以外 | ○ | × | × | 日本版を含む | |
iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max |
A2217 A2220 |
× | ○ | × | 中国本土・香港版 |
上記以外 | ○ | × | × | 日本版を含む | |
iPhone SE(第2世代) | A2298 | × | × | × | 中国本土版 |
全モデル | ○ | × | × | 日本版を含む | |
iPhone 12 Pro iPhone 12 Pro Max |
A2408 A2412 |
× | ○ | × | 中国本土・香港版 |
上記以外 | ○ | × | × | 日本版を含む | |
iPhone 12 | A2404 | × | ○ | × | 中国本土・香港版 |
上記以外 | ○ | × | × | 日本版を含む | |
iPhone 12 mini | 全モデル | ○ | × | × | |
iPhone 13 Pro iPhone 13 Pro Max |
A2639 A2644 |
× | ○ | ○ | 中国本土・香港版 |
上記以外 | ○ | × | ○ | 日本版を含む | |
iPhone 13 | A2634 | × | ○ | ○ | 中国本土・香港版 |
上記以外 | ○ | × | ○ | 日本版を含む | |
iPhone 13 mini | 全モデル | ○ | × | ○ |
そして、2024年11月現在、日本でeSIMをサービスをまともに展開しているのは2社のみ。
このうち、「電話も使える」のは楽天モバイルのみ。
楽天モバイルではiPhone SE(第2世代)を含め、iPhone全般が動作保証対象外だが、SIMフリーであればおそらく動作すると思われる。
ただ、楽天の場合は「端末セットプラン」のみ申込み可能で、IIJmioはデータ通信のみなので、なかなか使いづらいのが現状だ……。
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マスクをつけても使える指紋認証「Touch ID」採用
4つ目が指紋認証「Touch ID」対応であること。
近年のiPhoneは顔認証「Face ID」を基本としており、iPhoneでは3年ぶりに登場した「Touch ID」搭載モデルだ。
モデル毎の対応をまとめると以下の通り。
モデル名 | Touch ID | Face ID | |
---|---|---|---|
第1世代 | 第2世代 | ||
iPhone 5s | ○ | × | × |
iPhone 6 | |||
iPhone SE(第1世代) | |||
iPhone 6s | × | ○ | |
iPhone 7 | |||
iPhone 8 | |||
iPhone X | × | ○ | |
iPhone XS | |||
iPhone XR | |||
iPhone 11 | |||
iPhone 11 Pro | |||
iPhone 12 | |||
iPhone 12 Pro | |||
iPhone 13 | |||
iPhone 13 Pro | |||
iPhone SE(第2世代) | ○ | × |
正直、Face IDに慣れた今となっては、Touch IDが目玉になるとは思えなかったが、2020年は新型コロナウイルスが猛威を振るっており、評価が変わった。
逆に「Touch ID」はマスクをつけていても関係ない。
2020年は「Touch IDを使いたいから、iPhone SEを買う」という人も、一定数いるのではないかと思う。
価格が「税込5万円以下」と圧倒的に安い
最後が価格。
近年のiPhoneは10万円を超えるものが少なくないため、安いモデルを求める声は強かった。
その声にAppleは「旧モデルを値下げ」という形で対応してきたのだが、iPhone SEはこの流れを変えた。
iPhone SE(第2世代)のAppleが販売する、SIMフリー版の価格は以下の通り。
ストレージ | Apple販売価格(税込) |
---|---|
64GB | 49,800円 |
128GB | 55,800円 |
256GB | 販売終了 |
とにかく安い
新品のiPhoneで5万円以下という地点でヤバいのに、このスペック。
僕はブログ記事ではあまり、極端な表現をしないようにしているが、控えめに言っても「恐ろしくコスパの高いiPhone」と言える。
「iPhone 8」は販売終了。フロントパネルが「ホワイト」モデルが欲しいなら急ごう!
iPhoneの新モデル発表は確かに注目されるが、その裏で別の注目ポイントがある。
既存モデルがどのような扱いになるか?
毎年9月の新モデル発表時は、旧モデルの扱いと値下げ額が注目ポイントだが、iPhone SE(第2世代)の発売にあたっては、以下の対応となった。
「iPhone 8」が販売終了
まあ当然と言えば当然……。
ここまで紹介してきたスペックを見ても、価格差を考えたらiPhone 8以前のモデルを、あえて新品で購入するメリットはなくなった。
ただ、iPhone 8との大きな違いは「見た目」にある。
iPhone 8のシルバーとゴールドは「フロントパネルがホワイト」だった。
iPhone SE(第2世代)でもホワイトはあるのだが、「フロントパネルはブラック」。
チーは何を買うか
で、僕は現在「iPhone 11 Pro」を使っているので、iPhone SE(第2世代)を買う理由はない。
しかし、ガジェットブロガーとしての使命感がある。
というわけで、多分「iPhone SE ブラック 64GB」を買うと思う(笑)
終わりに
最先端のスマホはiPhone
という時代はとっくに終わった。
さらに、スマホが一般化し、利用スタイルも人によってほぼ固定化しているので、「スマホが変われば生活が変わる」ものでもない。
そうなると、「コスパの高いスマホ」が求められるようになり、日本においては端末値引きの制限もあり、5万円以下のスマホが売れる傾向が続いている。
この流れはもう変わらない。
- かつて「格安スマホ」と呼ばれていた、3万以下のAndroidスマホ
- 2016年に発売した「iPhone 7」
これらがiPhone SE(第2世代)が発表された、2020年4月時点でも普通に使えてしまうのがその証拠。
しかし、スペック的には問題なくても、物理的に故障することはあるし、ガラスが割れたなどの理由で買い替えたくなることもあるだろう。
買い替えに最適なiPhone
といえるだろうが、ポイントは最新プロセッサを搭載していること。
最新モデルに近いものを体感することで、「次は最新モデルを買おう」と思う人もいるかもしれない。
iPhone SE(第2世代)を見てそんなことを思った。
iPhone SE(第2世代)を購入する
iPhone SE(第2世代)はAppleおよび、大手キャリア・サブブランドで販売されています。
AppleではSIMフリー、キャリア版はSIMロックされていますが、条件を満たせばSIMロック解除可能です。
- 契約事務手数料が無料の、オンラインショップを活用する
- ストレージは基本「64GB」で十分
- カラーはトレンドに左右されず、「好み」で選ぶ
一緒に使いたいおすすめアクセサリ・サービス
詳細は各製品のホームページをご確認ください
ドコモでiPhoneを買うならオンラインショップがおすすめ
購入手続きはオンラインショップで行うのがおすすめです。
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ドコモ最新キャンペーンページで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください!
注目の料金プラン「ahamo」・「5Gギガホプレミア」
2021年3月以降、料金プランが大きく変わります。ほとんどの方はプラン変更する価値があるので理解しておきましょう。
「ahamo」が目立っていますが、1,000円値下げされて、テザリング込みで「データ通信無制限」の「5Gギガホプレミア」はヘビーユーザー要チェックプランです
元携帯ショップ店員の僕も驚くようなプランで、各社同種のプランを出しましたが、以下の記事で詳しく解説しています
iPhone SE 第2世代の考察記事
2011年発売のiPhone 4S以来、iPhoneを毎年購入している管理人が、これまで書いて来たiPhone関連レビューを、iPhoneカテゴリートップページでは整理して紹介しています。
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