2017年11月に発売した「iPhone X」は、10周年モデルとしてそれまでのiPhoneから全てが変わった。
- ホームボタンを廃止
- 全面ディスプレイ化
- 「TrueDepthカメラ」を搭載し、ノッチと呼ばれる切り抜きが生まれる
このことで、画面保護シートに対する考えも変わってきたせいか、
という質問を多く受けるようになった。
正直「iPhone 8」までは、どれも一長一短でおすすめが選びづらかったのだが、iPhone X以降は個人的には決定版といえる製品が出てきたと思っている。
詳しく紹介しようと思う。
他モデル画面保護シートのおすすめは、以下の記事をご覧ください。
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iPhone XR・XS・X用画面保護シートの種類と比較
iPhoneに限らずスマホ全般として、画面保護シートの種類は2015年頃から大きく変わっていない。
- 保護フィルム(PETフィルム)
- 保護ガラス
- コーティング剤
スマホが普及し始めた2010年頃、画面保護シートと言えば「保護フィルム(PETフィルム)」のことだった。
その後、2012年に透明感と強度を売りにした、「保護ガラス」をSpigen社が発売した。
保護ガラスは普段使いとしても、PETフィルムと比較して「指すべり」がよく、
- 安価な画面保護は「フィルム」
- 高価な画面保護は「ガラス」
という棲み分けが行われていたが、スマホのトレンドが変わりガラスの魅力が低下した。
丸みを帯びた、ラウンドフォルムスマホの増加
ガラスはフィルムと異なり、「曲がりにくい」ので特にラウンドフォルムの対応に苦戦している。
2014年に発売した「iPhone 6」以降、今に至るまで完璧な保護ガラスは登場していない。
見た目は悪くても、機能性と安さで使うくらいしかメリットがなくなった。
そして、2015年頃からガラスに変わって増えて来たのが「コーティング剤」だ。
スマホ画面に塗るので形状の変化は関係ないが、価格が高いわりに、効果を実感しづらいという欠点があった。
さらにスマホの進化は止まらず、2017年頃からは以下のような流れが出てくる。
- 全面ディスプレイ化
- 狭額縁化(有機ELディスプレイ搭載モデルの増加)
- 時間の経過と共に保護ガラスの値段が下落
- 全面ディスプレイ化により、全面保護ガラスが登場した
2018年モデルとしても、iPhone Xの後継と位置付けられる「iPhone XS」・「iPhone XR」が登場し、iPhoneのトレンドが全面ディスプレイに変わった。
2024年時点の、iPhone XR・XS・X用用画面保護シートのメリット・デメリットをまとめると以下のようになる。
種類 | 価格 | 指滑り | 貼りやすさ | 機能性 |
---|---|---|---|---|
保護フィルム | ○ | × | △ | △ |
保護ガラス | ○ | ○ | △ | ○ |
コーティング | × | ○ | ○ | ○ |
保護フィルムの欠点は「指滑り」が悪い
2024年現在、ガラスが増えたとはいえ、保護シートの代表格は「保護フィルム」だ。
だが、僕は保護フィルムをあまりおすすめしない。僕が考える保護フィルムの欠点は、以下の3点。
- 皮脂などの汚れは防いでも、落下時の画面割れを防ぐような「防御力」はない
- 「指滑り」が悪く、フィルム無しで使うシーンと比較して、明らかに使い勝手が落ちる
- 気泡が入りやすい
「保護」と名が付くので、やはり落とした時などに、大切なスマホを守ってもらうことを1番に考えがちだが、普段の使い勝手を忘れていないだろうか?
また、かつては価格の安さも魅力だったが、2019年現在では保護ガラスとの価格差がほとんどない。
- フィルムは1枚800円程度
- ガラスは1枚1,500円程度
というのが家電量販店などでの価格帯だが、Amazonでは価格帯が逆転する。
2枚セットで1,000円程度のガラスが主流
であれば、ガラスを選択する方が無難だと思う。
保護ガラスの欠点は「貼りにくい」
保護ガラス最大のメリットは、落下時にスマホの画面割れを防いでくれる「防御力」と思われがちだが、実はそうでもない。
保護ガラスが登場した当時、厚さは「0.4mmか0.5mm」が主流だった。
これくらいの厚みがあると、確かに落とした時に本体に影響が出ることは少ない。
しかし、分厚いと「乗っかった感じ」になり見た目が悪いため、近年の保護ガラスは「0.2mmか0.3mm」が主流となり薄型化した。
- 透明感があり、画面が見やすい
- 指滑りがよく、操作性が向上する(効果は1ヶ月程度でなくなるが、交換で簡単に復活)
これがガラス本来のメリットなのだが、薄型化したことで見た目も良くなった。
ただ、よいことばかりではなく、デメリットもある。
しかも、貼り付ける時にちょっと力が入っただけでも「パキッ」って割れちゃうくらいもろい
従来から、ガラスの欠点は貼り付けの難しさだった。
個人的には何十枚も貼り付けたので慣れているし、教えることもできるのだが、薄型化の弊害で貼り付けのハードルが上がったのは皮肉な話だ……。
コーティングは「効果を実感しづらい」
そのように言う方は多いし、個人的にもそんな製品が増えてきたとは思う。
また、貼り付けそのものが「面倒くさい」とも感じる。
そう考えた時、「コーティング剤」は理想の画面保護だと思っていた時期が僕にもあった。
実際、色んな製品を使ってみたのだが、「何も貼り付けない」のでスマホのデザイン・利便性を、全く損なわないのは魅力だった。
防汚・指紋防止などコーティング効果もあったの「だろう」。
「だろう」と書いたのには理由があって、スマホそのものにも当然コーティングは施されている。
通常利用では数ヶ月でこの効果がなくなると言われているが、メーカーとして特にアナウンスしていないため分からない。
つまり、
- スマホ本体のコーティング効果なのか
- 後付けで塗った、コーティング剤の効果なのか
どちらなのかを実感できない。
だったら「いらないじゃないか?」という意見にも繋がるわけで、メーカーを疑うわけではないが、効果を実感しづらいことは、コーティング剤の欠点だと思う。
画面保護シート・コーティングはいらないのか?
フィルムもガラスもコーティングも、それぞれ欠点があり「完璧」ではない。
そういう意見はあるだろう。
「裸でiPhoneを使う」というのは、誰もが1度は考えるし、僕もそうしていた時期が確かにあるのだが、正直おすすめしない。
理由は単純だ。
修理費用が高額!AppleCare+に加入していないなら画面保護は必要
全面ディスプレイとなった、iPhone X以降、ガラス割れによる修理費用も高額になった。
2024年現在一般的に流通しているiPhoneの画面損傷に伴う、修理費用は以下の通りだ。
モデル名 | 画面の破損のみ | その他の損傷 |
---|---|---|
iPhone SE(第2世代) | 15,950円 | 33,440円 |
iPhone 11 Pro Max | 39,380円 | 71,280円 |
iPhone XS Max | ||
iPhone 11 Pro | 33,440円 | 65,780円 |
iPhone XS | ||
iPhone X | ||
iPhone 11 | 23,980円 | 48,180円 |
iPhone XR | ||
iPhone 8 Plus | 20,240円 | 48,180円 |
iPhone 7 Plus | 38,580円 | |
iPhone 6s Plus | 39,380円 | |
iPhone 8 | 18,040円 | 38,580円 |
iPhone 7 | 38,280円 | |
iPhone 6s | 36,080円 |
僕はiPhoneを買う場合必ず「AppleCare+」に加入するが、周りを見ると大多数は加入していないようだ。
ガイド枠付き「全面保護ガラス」が一番のおすすめ
というわけで前置きが長くなったが、僕がおすすめする画面保護シートを紹介しようと思う。
この全面保護ガラスは、「iPhone 8」までには存在せず、全面ディスプレイとなった「iPhone X以降」で増えてきた製品だ。
なぜ、iPhone X以降なのかと言えば、恐らく理由は「ホームボタンがなくなったから」だと思う。
- TrueDepthカメラをガラスで覆う
- ホームボタンがなくなり、切り抜きが不要に
これらの条件が整った結果、全面保護ガラスが「安価に」実現したのだろう。
全面保護ガラスはこんな物だ。
ここまで単純な構造になった結果、もう1つメリットが出てきた。
位置合わせが楽になった
この結果、「ガイド枠」と呼ばれるプラスチック製の枠を付属するメーカーが増えてきたのだが、以前なら高価なガラスフィルムにしか付属していなかった。
- ガラスの透明感や指滑りの良さはそのまま
- 全面保護タイプで、見た目を損なわない
- 簡単に取り付けられる
2枚セットで1,300円程度「Nimaso」のガラスフィルムのコスパが高い!
ガイド枠付き「全面保護ガラス」で僕が特にお勧めなのは、「Nimaso」の保護ガラスだ。
- ガイド枠付き
- フルカバータイプ
- 2枚セット(1枚あたり650円)
という構成で販売価格はAmazonで「1,299円(税込)」。
モデル別にまとめると、以下の通り。
このガラスフィルムは、iPhone Xを購入後に見つけて、あまりにコスパがよすぎて、岡山スマホユーザー会などで相談されたとき、いつもおすすめしている。
これが貼り付け後の状態。
ガラスフィルムが初めてという人でも、ほぼ失敗することなく貼り付けられるし、仮に失敗して割れてしまっても、「3年間」の保証サービスがあるので新品交換してくれる。
注意点としては、フルカバータイプとノッチを切り抜いたタイプの2種類があるのだが、フルカバータイプの方がおすすめなので間違わないように購入して欲しい。
1ヶ月に1回程度の短期間で交換すると清潔感がある
と思う方もいるだろう。
ただ、ガラスフィルムを過信しすぎない方がいい。
一つだけ断言できることは、
ガラスフィルムのコーティングはそれほど続かない
ということだ。
保護フィルムもそうだが、通常1ヶ月程度、高品質なものでも2ヶ月程度という印象。
つまり、防指紋効果などはわりとすぐ薄れてくるので、短期間で躊躇なく交換することをおすすめする。
さらに言えば、薄いガラスなので割れやすい。割れたら交換というペースだと大体1〜2ヶ月で交換することになると思う。
見た目重視のコーティング剤ならSpigen「GLAS.tR ナノリキッド」
いくらガラスがよくなったとは言え、「貼り付けるもの」であることには変わりない。
デザインを全く損なわないわけではないし、乗っている感じはある。
そういう意味で、コーティング剤がやはり最適な画面保護だと思うのだが、前述の通り効果を実感しづらい。
じゃあコーティング剤をどう選ぶのか?
メーカーに対する信頼感しかない
と僕は思ってる。
なので、僕がおすすめするコーティング剤は、Spigen「GLAS.tR ナノリキッド」だけだ。
Spigen社は、本社がアメリカでiPhoneアクセサリメーカーとして有名。
「iPhoneなどスマホケース」のメーカーとして一番有名だが、実は保護ガラスを発売したメーカーの元祖。
「GLAS.tR」に施されたコーティングによる、使い勝手の向上含めて、「GLAS.tR」シリーズが与えたインパクトは大きかったと思う。
そんなメーカーが販売する、唯一のコーティング剤なので信用出来るのではないかという考えだ。
個人的にも、iPhone発売のたびにレビュー依頼をいただき、長年お付き合いしている企業でもある。
100均の安価な保護ガラスはおすすめしない
2012年に登場した当時、1枚3,000円したガラスフィルムが、今や500円程度で購入できるようになった。
技術の進歩と価格下落の速さに驚くが、一つ知っておいて欲しいのは、これほど安い価格になるのは「iPhoneだけ」ということだ。
iPhoneはグローバルレベルで販売されており、全世界で人気のスマホだから、大量生産により安価に販売しても利益が出る構図なのだと思う。
同じグローバルレベルのスマホでGoogle「Pixel 3」ですら、安価なガラスフィルムの品質は低い。
この記事で、2枚で1,000円程度の安価なガラスフィルムをおすすめしているからと言って、安価なガラスフィルムが「全て高品質になった」とは思わないで欲しい。
そう言う意味で、100円ショップ(100均)で売っているガラスフィルムはおすすめしない。
終わりに
iPhoneの画面保護シート選びは難しいものだったが、全面ディスプレイ化した「iPhone X以降」は少し選びやすくなった。
僕はしばらくこれで行くと思うので、参考になればと思う。
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iPhone XR用アクセサリについて
定番のケース・保護フィルム(ガラス)については、以下のまとめ記事をご覧ください。
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iPhone XRのまとめ記事
2011年発売のiPhone 4S以来、iPhoneを毎年購入している管理人が、これまで書いて来たiPhone関連レビューを、iPhoneカテゴリートップページでは整理して紹介しています。
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