0円で買えるスマホが欲しい
2019年10月の改正電気通信事業法施行にともない、通信キャリアの料金プランと端末値引きが大きく変わった。
- 通信料と端末料金のセット割を禁止し「分離プラン」が義務化
- 2年縛りの違約金を1,000円未満とする
- 端末値引きを「2万円まで」に制限する
分離プランの導入によって多少通信料は安くなり、2年縛りの違約金が安くなったので、通信キャリアの乗り換え(MNP)はやりやすくなった。
しかし、携帯キャリアは「dカード」など自社クレジットカード、「dポイント」など共通ポイントにより囲い込みを進めており、乗り換えが活発になる気配はない。
それもそのはず、乗り換えの動機は「端末値引き」のはずなのに、それすら縛ったので矛盾した政策になっている。
そんななか、携帯キャリアは「0円スマホ」の復活のための仕掛けを用意した。
定価2万円のスマホ
通常の製品は価格をある程度決めた上で、他社製品との差別化ポイントなどを考えると思うが、価格ありきで生まれたある意味珍しいスマホだ。
この記事では、サムスン「Galaxy A20 SC-02M」に関して以下を紹介しようと思う。
- Galaxy A20の特徴
- Galaxy A20の良いところ・イマイチなところ
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Galaxy A20の概要
サムスン「Galaxy A20 SC-02M」は、2019年11月1日に2019年冬モデルとして発売した。
- 春にフラグシップスマホの「Sシリーズ」
- 秋にファブレットの「noteシリーズ」
を発売するサムスンは、フラグシップスマホに力をいれるメーカーで、日本市場でミドルクラスは手薄だった。
ドコモでは「Galaxy Feelシリーズ」を発売していたが、他キャリアではフラグシップスマホして発売しておらず、Galaxyシリーズは高いというイメージを持っている人もおおいかもしれない。
そんなイメージをくつがえす「2万円」という価格はかなりインパクトがあるが、冒頭にも書いたとおり、2万円という価格は日本市場のスマホ販売方式にマッチするために設定されたもの。
つまり、「日本専売モデル」だし、価格から逆算された仕様なので、いろんな機能が「割り切られている」。
なお、「SC-02M」はドコモ向けの型番で、この記事ではドコモ版を紹介するのだが、他社でも、以下の製品名で販売されている。
- ドコモは「Galaxy A20 SC-02M」
- auは「Galaxy A20 SCV46」
- UQ mobileは「Galaxy A20円」
対応周波数など多少の違いはあるが、基本的に同じ製品と理解して欲しい。
スペック概要としては以下の通り。
ディスプレイ | 約5.8インチ(液晶) |
---|---|
バッテリー容量 | 3000mAh |
プロセッサ | Exynos 7884B |
内蔵メモリ(RAM) | 3GB |
内蔵メモリ(ROM) | 32GB |
アウトカメラ | 800万画素素 |
インカメラ | 500万画素 |
テレビ機能 | × |
おサイフケータイ | ○ |
急速充電 | ○ |
ワイヤレス充電 | × |
サイズ | 150(高さ) × 約71(幅) × 約8.1(厚み) mm |
重量 | 151g |
LTE通信速度(受信) | 最大262.5Mbps |
LTE通信速度(送信) | 最大50Mbps |
販売価格はドコモの場合「21,384円」。
ミドルクラスのスマホの中でも、かなり安い部類に入るため、どこで購入しても価格はそれほど変わらない。
定価で比較すると以下のようになる。
モデル名 | 販売価格 | |||
---|---|---|---|---|
docomo | au | UQ mobile | ||
Galaxy A20 SC-02M | 21,384円 | 22,000円 | 11,880円 |
大手キャリアが展開している、実質価格が安くなる購入方式(スマホおかえしプログラムなど)の対象でもないため、基本的には定価販売。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
Galaxy A20は新品でとにかく安いモデルが欲しい方におすすめ
繰り返しになるが、Galaxy A20は2019年10月以降「端末値引きが2万円まで」と制限され、値引き金額から逆算されて誕生した端末だ。
このため、スペックなどがかなり割り切られているのだが、そこを指摘するのはナンセンスだと思う。
- 全体的に「チープ」な作り
- カメラは800万画素
- 指紋認証が搭載されていない(顔認証には対応)
この辺りは手に持っただけでも感じるわけで、スペックだけを単純比較すれば、中古スマホや海外メーカーのSIMフリー版を買う方がよいかもしれない。
それができる人に「Galaxy A20」はツッコミどころが多すぎる。
Galaxy A20をおすすめする人は明確。
- 新品のスマホが欲しい人
- 携帯キャリアで購入できる安心感を重視している人
この2パターンだろう。
このため、いわゆるガジェットヲタクなど、「分かっている人」は購入者として想定されていない。
開封レポート
簡単な開封レポートを。
Galaxy A20は価格重視のスマホということもあり、簡素なパッケージ。
蓋を開けると、ロゴが登場し、
それをとると本体がドーンとお目見え。
終了!(笑)
同梱品は以下。
- 本体
- 注意事項の説明書
- クイックスタートガイド
- SIM取り出しツール(試供品)
本体をチェック。
全体的に丸みを帯びたデザイン、思ったよりはスリムに見える。
四方からチェック。
ハイスペックモデルでは少なくなった、3.5mmイヤフォンジャックを搭載しており、完全ワイヤレスイヤホンがなくても音楽を聴くことができる。
充電端子は「USB-Type C(USB-C)」を採用している。
左側面にはSIMカードスロットとストラップホール。
右側面にボタン類を集約している。
「iPhone 11 Pro」と比較すると、サイズ感はほぼ同じであることがわかる。
「Galaxy A20」のここが凄い!
以降は僕の感想を中心に紹介しようと思う。
僕が触ってみて「Galaxy A20」の良いなと思ったポイントは、以下の4点だ。
- それなりに使えるカメラ
- 指紋認証はないが顔認証に対応している
- おサイフケータイ(Google Pay)に対応している
- 急速充電(USB-PD)に対応している
それなりに使えるカメラ
Galaxy A20のカメラはシンプルな構成となっている。
シングルカメラなので、設定項目としていじる項目が少ない。
ややこしい機能がないので、アプリを起動して撮るだけ。画素数などはハイスペックモデルと比較すれば劣るが、ちょっとした用途には十分だろう。
明るい場所での風景や食事の撮影は、特に画質的に劣っている感じはしない。
しかし、夜景になるとハイスペックモデルとの性能差が出てくる感じだ。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
指紋認証はないが顔認証に対応している
近年のスマホは生体認証を必ず搭載している。
フラグシップモデルの「Galaxy Note10+」は顔認証と画面内指紋認証センサーのハイブリッド構成だが、Galaxy A20は指紋認証センサーを搭載していない。
そのかわりiPhoneでいう「Face ID」に相当する、顔認証に対応している。
スペック的に割り切られたスマホとはいっても、自撮り文化がある以上、フロントカメラは省けないし、フロントカメラがあれば「顔認証」は搭載できる。
こんなことに気づかされた。
実際使ってみても、フラグシップモデルの「Galaxy Note10+」と比較して認証が遅いと感じることもなく、快適に使える。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
おサイフケータイ(Google Pay)に対応している
- おサイフケータイ(FeliCa)
- ワイヤレス充電
この辺りは、価格の安いスマホでまずカットされる機能だ。
しかし、日本ではようやくキャッシュレス決済を政策としても推進しようとしており、2万円のスマホとしては珍しく「おサイフケータイ(Google Pay)」に対応している。
- iD
- QUICPay
- Suica
- nanaco・WAONなど流通系電子マネー
が利用できるので、是非使ってみて欲しい。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
急速充電(USB-PD)に対応している
最後が充電機能について。
近年のスマホはバッテリーが大容量化しており、従来の充電方式では時間がかかりすぎるため、「USB Power Delivery(USB-PD方式)」の急速充電に対応するスマホが増えている。
iPhoneは「iPhone 8」以降対応しているし、Androidも「Pixel 3」など対応製品が増えているが、安価なスマホでは非対応モデルも多い。
しかし、「Galaxy A20」はUSB-PDによる急速充電に対応しているので、特に外出先の充電には便利だ。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
「Galaxy A20」のここがイマイチ
「Galaxy A20」を使って、イマイチと感じた点ももちろんある。
ただ、繰り返しになるが値段ありきのスマホなので、割り切った仕様になっていることが原因なので、価格のわりに欠点はすくない。
感じたことをまとめると、以下のような感じだ。
- ケーブル・充電器が同梱されない
- 値段なりの質感で、高級感にとぼしい
- ワイヤレス充電に非対応
ケーブル・充電器が同梱されない
「Galaxy A20」の充電端子はAndroidでは主流となった「USB Type-C(USB-C)」が採用されている。
しかし、増えたとはいえ、Androidで長年主流だった「micro-USB」と比較すれば普及率は低く、持ちあわせていない人も多いだろう。
「Galaxy A20」の購入にあたっては、最低でもUSB-Cケーブルの購入が必要になるので、その点は注意して欲しい。
値段なりの質感で、高級感にとぼしい
「Galaxy A20」は安価なスマホなので、素材がチープ。
アルミニウムやガラスなどの方がやはり高級感があると感じるが、そこは突っ込まない約束かなと……。
値段が安いのだから当たり前だが、ハイエンドスマホと比較すると「チープに見える」ことは覚悟しておいた方がいい。
ワイヤレス充電に非対応
iPhone・Android関係なく、今やワイヤレス充電に非対応のスマホはかなり少なくなってきた。
急速充電規格も整備され、普及速度が上がってきているが、「Galaxy A20」は非対応。
ミドルレンジなので仕方ないと言われたらそうだが、納得するしかない。
終わりに
「分離プラン」と「端末値引きの制限」が始まった2019年10月以降、スマホの売れ筋は5万円以下のミドルクラスに変わった。
日本ではハイスペックモデルばかり発売していたサムスンが、国内最安値のスマホを発売するのは、市場構造の変化が理由だろう。
しかし、国(総務省)の指導により、端末値引きが縛られるというのは、健全でないと僕は思う。
「Galaxy A20」は価格のわりによいスマホだが、歪んだ構造の中で生まれた製品は、日本専売モデルになるし、メーカー・キャリア・ユーザーの中で誰が喜ぶ端末なのだろうと考えてしまうからだ。
近い将来ルールが変わって欲しいと思いつつ、「Galaxy A20」という端末が市場に与えたインパクトは大きい。
合法的に0円で売れるスマホ
いろんな意味で、日本のスマホ業界を占うスマホだと思う。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
サムスン「Galaxy A20」を購入する
シャープ「Galaxy A20」はドコモ、au・UQ mobileで販売されています。
ドコモ・au版はSIMロックされていますが、条件を満たせば「SIMロック解除」可能です。
キャリアで購入するなら、契約事務手数料が「無料」のオンラインショップがおすすめ!
モデル名 | 販売価格 | |||
---|---|---|---|---|
docomo | au | UQ mobile | ||
Galaxy A20 SC-02M | 21,384円 | 22,000円 | 11,880円 |
Androidのおすすめモデル
Androidは様々なメーカーが販売していますが、日本で人気が高いのは長らくSONY「Xperia」・シャープ「AQUOS」・サムスン「Galaxy」の3本柱でした。
しかし近年は、中国メーカーの進出が増え、安くて高性能な高コスパモデルが増えたので勢力図が変わりつつあります。
ハイスペックスマホのレビュー
モデル名 | 販売価格 | ||||
---|---|---|---|---|---|
docomo | au | SoftBank | 格安SIM | SIMフリー | |
Xperia 5 III レビュー記事 |
113,256円 | 121,405円 | 137,520円 | - | - |
Xperia 1 III レビュー記事 |
154,440円 | 178,000円 | 188,640円 | - | 159,500円 |
AQUOS R6 レビュー記事 |
115,632円 | - | 133,920円 | - | - |
Galaxy S21 5G レビュー記事 |
99,792円 | 118,540円 | - | - | - |
Galaxy S21 Ultra 5G レビュー記事 |
151,272円 | - | - | - | - |
ミドルクラススマホのレビュー
モデル名 | 販売価格 | ||||
---|---|---|---|---|---|
docomo | au | SoftBank | 楽天/格安SIM | SIMフリー | |
AQUOS sense6 |
57,024円 | 40,470円 | - | 39,800円 | - |
Xperia 10 III レビュー記事 |
51,480円 | 53,985円 | - | 54,000円 | - |
Xperia Ace II レビュー記事 |
22,000円 | - | - | - | - |
一緒に使いたいおすすめアクセサリ
- 画面保護シート
- USB充電器
- モバイルバッテリー
- 完全ワイヤレスイヤホン
ドコモでスマホを買うならオンラインショップがおすすめ
購入手続きはオンラインショップで行うのがおすすめです。
利用するメリットは、以下のようなものがあります。
- 24時間受付可能
- 2,750円以上の購入で送料無料
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- キャンペーンが多い
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
ドコモ最新キャンペーンページで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください!
注目の料金プラン「ahamo」・「5Gギガホプレミア」
2021年3月以降、料金プランが大きく変わります。ほとんどの方はプラン変更する価値があるので理解しておきましょう。
「ahamo」が目立っていますが、1,000円値下げされて、テザリング込みで「データ通信無制限」の「5Gギガホプレミア」はヘビーユーザー要チェックプランです
元携帯ショップ店員の僕も驚くようなプランで、各社同種のプランを出しましたが、以下の記事で詳しく解説しています